オーケストラ・ダヴァーイ第9回演奏会

オーケストラ・ダヴァーイ 第9回演奏会

日時:2015年8月2日(日) 13時半開演(13時開場)
場所:すみだトリフォニー大ホール
演奏曲目:
ストラヴィンスキー: 「ペトルーシュカ」(Петрушка)1911年版
プロコフィエフ: 「ロメオとジュリエット」(Ромео и Джульетта)全曲版からの抜粋
指揮:森口真司

 ロシアのバレエは殊に有名です。「バレエはイタリアで生まれ、フランスで育ち、ロシアで成人した」(三浦雅士「バレエ入門」)と言われています。14世紀に民衆舞踊の1つとしてルネサンス期のイタリアで生まれたバレエは、カトリーヌ・ド・メディチと共にフランスへと伝わり、17~18世紀にフランス宮廷文化の中で徐々に洗練されていきました。18世紀にはフランス宮廷文化に憧れるロシアが輸入していました。この後ヨーロッパにおいては徐々に衰退していきましたが、ロシアでは独自に発展し、19世紀後半には黄金時代を迎えました。有名なチャイコフスキーによる三大バレエが生まれたのもこの時代です。例えば、グラン・パ・ド・ドゥの確立はロシアにおいてなされました。ロシアは今でもなお、バレエ大国として名を馳せ、著名な団体、スターを多く抱えています。また、現在世界中で上演されているバレエの演目の主要なものも多くはロシアで作られています。今回の演奏会ではそのようなロシア・バレエの中から2曲取り上げます。

 「ペトルーシュカ」は、大成功をおさめた「火の鳥」に続いてバレエ・リュスのために提供されたもので、後の「春の祭典」を含めてストラヴィンスキーの三大バレエとされています。謝肉祭で賑わう「ペテルブルクの」海軍省広場通りの見世物小屋の人形であるペトルーシュカを主人公とした物語となっており、命を吹き込まれて恋を知るものの悲劇的な最期を迎えるまでが描かれています。ストラヴィンスキーによる音楽は、広場のざわめきや踊り子たちの陽気さ、人形のコミカルな動き、ペトルーシュカの心の苦しみや恋敵との争い、ペトルーシュカの死などのさまざまな情景を表情豊かに描写するものとなっています。この「ペトルーシュカ」には今回とりあげる1911年原典版とその改訂版である1947年版とが存在します。1947年改訂版はストラヴィンスキーの新古典主義時代のもので楽器編成がスリム化されるなどして余計なものがそぎ落とされ、簡素な作風でドライな印象を与えますが、原典版の方は原始主義時代のもので、編成も大きく、オーケストラの迫力と色彩感において勝るものとなっています。通常は1947年版が取り上げられることが多く、原典版をとりあげるこの演奏会は大変貴重な機会ですのでお見逃しなく!
参考にyoutubeの動画を貼っておきます。「ディアギレフの夕べ」のものです。

 「ロメオとジュリエット」は映画、ミュージカル、バレエ、オペラなどさまざまな形に翻案され、心理学用語にもなるほど有名なシェイクスピアの戯曲です。関連する音楽としても、ベルリオーズ、カバレフスキー、チャイコフスキー、バーンスタイン、ディーリアス、グノー、ニーノ・ロータなどの作曲によるものがあります。今回演奏するプロコフィエフのものはその中の一つですが、バレエ音楽としては最も有名なものと言えましょう。ロシアの作曲家の特徴とも言える美しく抒情に満ちたメロディー、プロコフィエフ独特の洒脱さや諧謔性などが存分に発揮された素晴らしい音楽となっています。組曲から少しずつ選んでちまちま演奏するようなダヴァーイらしからぬことはしません。全曲版から時間の許す限り多く選んでたっぷりお聞かせします。のだめカンタービレや、ソフトバンクのテレビCM、

エマーソン・レイク・アンド・パーマーのアレンジ

で有名なあの曲はもちろんのこと、組曲に含まれないような曲も多く演奏します。
 これらはいずれも20世紀に入ってからの作品ですが、「ロメオとジュリエット」はロシア・バレエの伝統を受け継いで発展させたものであり、一方で「ペトルーシュカ」の方は伝統から外れた革新的なものとなっています。この対比もお楽しみいただけるかと思います。
 上述したグラン・パ・ド・ドゥとして、「バルコニーの情景」は特に美しいですね。ディアナ・ヴィシニョーワとイーゴリ・コルプによるものです。

一方で、ニノ・ロータによる音楽が使われている映画の「バルコニーの情景」です。

さらにバーンスタイン版「ロメオとジュリエット」である「ウェスト・サイド・ストーリー」においては「バルコニーの情景」に相当するのは「非常階段のシーン」です。「Tonight」が有名ですね!

さて、そんな「ロメオとジュリエット」、すべての曲を演奏したいぐらいどれも素晴らしい曲ばかりなのですが、泣く泣く取捨選択して抜粋ました。それでも相当の長時間の演奏となりますので、ゆったりとお楽しみ頂ければ幸いです。
演奏曲は以下の通りです。

1.前奏曲
3.街の目覚め
4.朝の踊り
5.喧嘩
6.決闘
7.大公の宣言
11.客人たちの入場
12.仮面
13.騎士たちの踊り
16.マドリガル
17.ティボルトはロメオを見つける
19.バルコニーの情景
20.ロメオのヴァリアシオン
21.愛の踊り
22.フォークダンス
28.ローレンス僧庵でのロメオ
30.民衆のお祭り騒ぎ
32.ティボルトとマキューシオの出会い
33.ティボルトとマキューシオの決闘
34.マキューシオの死
35.ロメオはマキューシオの死の報復を誓う
36.第2幕の終曲
37.導入曲
38.ロメオとジュリエット
39.ロメオとジュリエットの別れ
51.ジュリエットの葬式
52.ジュリエットの墓の前のロメオ

乞うご期待!


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