「太陽の塔」 by 森見登美彦

このブログってタイトルに読書ともかがげているわりに読書について余り書いてない気もします。昔読んだ本について別の場所に書いてた感想を順番にリライトしていきます。

今回は、森見登美彦の「太陽の塔」です。最近、もっとも思い入れの強い作家さんの一人です。この小説は京都の吉田山の麓のとある大学の学生の物語ですね。

女性と絶望的に縁の無い華の無い、今風に言うと喪男的な学生生活を過ごした人には是非読んでもらうべき小説ですかね(笑)

御影通り界隈にあるなんだか古くさい下宿とか目に浮かんじゃいますが(笑)、その中で悶々と、妄想を繰り広げる男の話です。

しかし、かつて水尾さんという彼女がいたという。「彼女は知的で、可愛く、奇想天外で、支離滅裂で、猫そっくりで、やや眠りをむさぼり過ぎる、じつに魅力ある人間」なのだそうな。
森見さんの何がいいかって、ことごとくヒロインがツボなとこが良いのですが(そこかい!)、この設定だけでもぐっときます(笑)
さらに、この水尾さんの太陽の塔を見たときの「凄いです。これは宇宙遺産に指定されるべきです」と言うときの仕草があまりにもあまりにもツボ過ぎてこの小説を読んでから再び太陽の塔を見に行ってしまいました。いや、仕草って妄想の中で見たんやけどな!

そんな水尾さんと別れたあとから物語は始まるのですが、「研究」(かぎカッコつき研究)を繰り広げる主人公。類友として同様にメインロードから外れた男が集まる。このあほさ加減がなんともあそこの人らしくって苦笑します(笑)
さらに主人公同様に水尾さんに近づく男も登場し、そういった一切合財が絡み合いながら物語が進んでいき、主人公はある決断をします。あまりに甘酸っぱく切ない決断を。

そしてきゅんとさせつつも、最後の四条河原町での騒ぎへと向かう怒涛のエンディングへと向かいます。あの交差点なら起こってもおかしくなく、さらに起こるならあそこしかないだろうという交差点ですな(笑)

京都的な幻想性と古風な街並み、あそこの大学の人らしい屁理屈などから独特の世界観を紡ぎ出しています。

冒頭に書いたとおり、華の無い青春を送った人たちは読んで甘酸っぱくもきゅんとしてしまう小説です。(いや、あんたは今もそういう中年送ってるとか言わなくていいから)

自転車に「まなみ号」と名づけるあたり、やはり森見さんとはかなり大事な部分で重なっていると言わざるを得ませんな(笑)
ちなみに文庫本の解説は本上まなみさんです(笑)


3 Responses to “「太陽の塔」 by 森見登美彦”

  1. [...] 「太陽の塔」 by 森見登美彦 [...]

  2. [...] 」とありますので、初めての森見な方にはおすすめできません(笑) はじめて読むなら「太陽の塔」か「夜は短し歩けよ乙女」から読むのが良いかなーと思います。 恐らくは一番読みや [...]

  3. [...]  クリスマスに「リア充」に対するルサンチマンをぶつけるって意味では森見の「太陽の塔」の中の四河の交差点で「ええじゃないか」に匹敵するものもあるような気もします(笑) [...]

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